スマホの教科書

【徹底解説】VoLTEとは?オンとオフにしたときの違いやデメリットを専門家が解説

VoLTEという名前は今やほとんどの人が聞いたことあると思いますが、
具体的にどういうものか理解している人は少ないと思います。

電話がつながりにくいときに解決方法を調べると必ずと言ってでてくるこのVoLTEです。

どの記事も「電話が繋がりにくいときは一度VoLTEをオフにしてください」と書いてますが、そのオフにする行為…

実はほぼ効果ありません

ではなぜ効果がないのかを現役で通信キャリア勤務の私が以下に説明していきます。

VoLTEとは?

VoLTEは“Voice over LTE”の略で、“LTE(4G回線)に音声を乗せる”といったイメージになります

従来は3G回線というもので電話を運用していましたが、インターネットの発展に伴い速度が速い4G回線というものが現れました。

しかし、使える回線量が少なかったため当初はデータのやり取りが少ない音声通信は従来通り3G回線で、多量の通信が必要となるインターネットを4G回線で運用していました。

その後、開発が進んだことで4Gの回線量が増えると混雑もしなくなり徐々に音声通話用にも使える余裕がでてきます。

そのころくらいからのスマホ機種は4G回線で通話をする機能が搭載されていくのですが、それをVoLTEといいます。

※補足※
ちなみに5Gの時代になってきた現在では、同じようにな5Gを使った通話というものもあります。
ただ一般的にはまだ普及しておりませんのであまり気にしなくていいです。
詳しくは以下の記事をお読みください。
【別記事:5G版VoLTEと言われているVoNRとVoLTEとは?

VoLTEのメリットと効果

高音質・高品質の通話

VoLTEの最大のメリットです。

従来の3G回線での通話は3.4kHzまでの音域しか伝えることができませんが、4GLTE回線での通話であるVoLTEでは7kHz、VoLTE(HD+)では14.4Hzまでの音域がカバーできます。

3G通信と比べ4G回線は大量の情報を高速通信することができるため、従来の3G通話と比べて「高音質」「高品質」な通話が可能になります。

呼び出しの高速化

スマホはネットに繋げているので普段は4G通信に繋がっているんですが、
通話時は3G通信にする必要があるので一度回線を切断して繋ぎなおしていました。



そのため発信ボタンを押してから呼び出し音が鳴るまでに数秒のラグがあったんですが、
VoLTEにすると繋ぎなおす必要がないので発信時の繋がりがスムーズになります。

通話中のネット接続が速い

3G回線での電話中もGoogle検索やマップなどインターネットにつなぐ事はできます。
しかし、3G回線は非常に遅いので画像の読み込みなどにかなりの時間がかかっていました。

一方VoLTEにしていると4G回線に繋がっているので通話中でもネット検索が高速でできるようになります。

VoLTEのデメリット

対応エリア

2020年以降は4G回線が主流になっているので、VoLTEが使えないエリアはほぼありません。
しかし、3G回線が主流だった頃は4G回線非対応のエリアではVoLTEが繋がらなかったりもしました。

▼今は4G非対応のエリアはほぼありません。

通信料が発生する

勘違いされている方も多いのであえてデメリットの項目に記載します。
VoLTEの通信は確かに4Gで行っているので、俗に言う「ギガ」を消費するものと思われがちです。

しかし通信キャリア側でVoLTEでの通信はデータ消費カウント対象外としており、
ギガを使い切って低速の状態でも音質に影響はありません。
※ただしビデオコールなど、一部例外もあります

VoLTEはオンにした方がいいの?

VOLTEは常にONで問題ありません。

稀に通信状態が悪いときなどにVoLTEのOFFを推奨するような記事もありますが、
上記したようにそれで改善するのは3G通信が主流だったときの話です。
今でもキャリアのコールセンターの人間がそういった案内をしてしまっているのも事実です。

仕組みをわかっていれば理解できる話なのですが、
2020年現在だと日本中のほぼ全ての場所が4G対応しているのであえてVoLTEを切る意味はありません

ただし【別記事:スマホの電波が3GやHになる場合の原因】のように電波障害や故障により3Gしか掴まなくなっている場合は個別に対応が必要です。

VoLTEの設定方法

最近のスマホはデフォルトでVoLTEをONになっているので設定は不要です。

ただ確認したいという場合は

▼設定>ネットワーク>モバイルネットワーク>VoLTE

機種やバージョンによっては「4G拡張モード」と呼ばれていたりもします。

最後に 

最後までお読み頂いきありがとうございます。

当記事の内容で「ここはどういうこと?」「ここがまだわからない!」など不明点がございましたらコンタクトページよりメールを頂けると幸いです。

1〜2日以内に回答できる範囲でお力添えをさせて頂きます。