自分達が子供のころでは初めての携帯電話は高校生や大学生で持たされることが一般的でしたが、近年ではどんどん低年齢化しており小学生でスマートフォンを持ち始める子供も少なくありません。
しかし、スマホを買い与えることで生じるリスクもあり、親御さんはそういった様々なことを考える必要があります。
お子様にスマートフォンを買い与えるのを悩んでいる方や、どういった機種を選べばいいのかお悩みの方は参考にしてください。
小学生の過半数はスマホ持ち
調査サイトで調べた結果、携帯電話(キッズケータイ含む)を買い与える年齢は小学生が過半数となっています。
▼初めてスマホを持たせる年齢
この結果からみてもわかるように近年では小学生でも一定数の子供はスマホを所持しており、その数は年々増加傾向にあります。
また、男女別では安全面から男児より女児の保有率の方がやや高くなっており、女児の方が早くからスマホを買い与えられることが多い傾向になります。
キッズ携帯よりスマホがいい?
キッズケータイ | スマホ | |
---|---|---|
防犯ブザー | 〇 | × |
GPS機能 | 〇 | 〇 |
LINE | 機種による | 〇 |
操作 | シンプル | 機種による |
ネット機能 | × | 〇 |
アプリ | 限定的 | 〇 |
最低限の機能さえあればいいのならキッズケータイなので、小学校低学年の子供に対してはキッズケータイを持たせるご家庭が多いです。
スマホを持たせる場合はフィルタリング機能を使って「使用できるアプリの制限」「閲覧できるサイトの制限」をかけることが推奨されており、きちんとご両親での管理の元で使用する必要があります。
小学生にスマホは必用?
子供にスマホを持たせるのは必要なのでしょうか?
いつかはスマホを与えることになると思うので、持たせることのメリットとデメリットきちんと把握できているかが重要です。
では、スマホを持たせることによって生じるメリットとデメリットはどんなものがあるのでしょうか?
スマホを持たせるメリット
スマホには多くの機能があり、インターネットでの情報収集や防犯機能専用など子どもの育成に活用されている方も多いです。まずは子どもにスマホを持たせるメリットについて確認していきましょう。
GPSで位置を把握
キッズ携帯などでは標準搭載の機能ですが、スマホを持たせることでGPS機能を使って子供の居場所を確認することができます。
子供にGPSと聞くと大げさに聞こえる方もいるかもしれませんが、誘拐や事件などの「万が一」に備えて自治体からGPS機器を貸与しているところもあります。
また、習い事に行っているかの確認もできたり、キャンプなどのレジャーで迷子にならないようになどと用途は様々です。
家族間のコミュニケーション
LINEなどの連絡ツールは子供が遊びに行っている時など、目の届かないところにいる時の連絡手段となります。
最近では「家族LINEグループ」を作っている家庭も多く、家族間のコミュニケーションツールとしても使えます。
▼ジブラルタ生命「家族愛に関する調査2022」
事故など緊急時の連絡
スマホをもたせたい理由の第一位がこれになります。
不慮の事故や事件に巻き込まれた際もすぐに連絡をとることができます。機種によっては防犯ブザーや、ワンタッチで110や緊急連絡先に連絡できるものもあるのでお子様を守ることができるでしょう。
勉強ツールとしての利用
無料のアプリや学習サイト、教育系YouTubeなど教育に活用できるツールになるのもスマートフォンの利点の一つです。
気になったことをその場で調べられることは子供の興味のある分野を伸ばすことにも繋がり、学びの場を増やすことができるでしょう。
また、ゲーム型の知育アプリも多いので教科書での勉強と違って楽しみながら学べるのも特徴です。
ITリテラシーを学べる
若いころからネットに触れてこなかった中高年世代の多くがワンクリック詐欺や、SMSの不正利用に伴う高額請求の被害にあっていることはニュースなどでもたびたび報道されていますが、小さな頃からスマホやインターネットネットを利用することで、ネットのルールに触れる機会が増え、ITリテラシーの向上に繋げることができます。
「個人情報をネット上に公開しない」「心当たりのないメールやURLは開かない」などのネットを使う上で基本的なネットリテラシーを小学生のうちから身に着けることができます。
スマホを持たせる注意点
スマホを子供に持たせることで様々なトラブルにつながる可能性もあります。
ここからは、子供のスマホ利用に関する注意点について詳しく解説していきます。
集中力が低下
スマホのある生活に慣れてしまうと、スマホの通知が気になり集中力が低下してしまいます。視界から外しても無意識に気にしてしまうため、勉強の妨げにもなります。
スマホ依存
近年では大人でも5%、中高生では約15%がスマホ依存・ネット依存の疑いがあると疑いがあると言われています。
スマホ依存になることで睡眠不足や集中力の低下を起こしたり、怒りやすくなるなど様々な問題を引き起こします。
スマホキャリア各社でも子供のスマホ依存は問題視しており、「スマホを利用するためのルール作り」を推奨しています。
キャリアショップてもこのような子供向けの約束書をくれる店舗もあるので、子供にスマホを持たせるご予定の方はきちんとルールを定めて管理してあげる必要があります。
事件に巻き込まれる
過去には配信アプリで住所などの個人情報を言ってしまったり、知らない人と合う約束をしたことが事件に繋がった例がいくつもあります。
ネットの影響を受ける
ネット上にはいわゆる嫌韓や女性軽視などの悪い文化も多く、そういった偏見や言葉遣いの影響を受けてしまう危険性もあります。
睡眠時間を阻害される
成年以上の方にも当てはまりますが、スマートフォンを使用していて気づけば深夜になっていたということは珍しくありません。
成長期の子供にとって重要な睡眠時間の阻害や、睡眠の質を低下させ、心身の調子にも影響しています。
文部科学省が平成27年に発表した「睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との関係性に関する調査」も重要な調査結果になるので参考にしてください。
視力の低下や斜視
文部科学省が2022年に発表した「学校保健統計調査」の統計結果では、裸眼の視力が1.0未満の割合が過去最多となった事が発表されています。
※文部科学省が令和4年11月30日に公表した令和3年度学校保健統計調査結果より。
必ずしもスマホだけが原因ではありませんが、2019年にWHO(世界保健機関)が発表した「小児の健康な成長に関するガイドライン」のなかでも「1歳未満ではスクリーンタイムは推奨されない。1〜4歳でのスクリーンタイムは、1日1時間未満。」と提言されているため、スマホやタブレットなどの電子機器は小児近視の重要な要因のひとつと考えられています。
その他にも近くの画面を見つめ続けることによって、視線が内側に寄ってしまう内斜視も近年増加しているので注意が必要です。