インターネットといえば光回線が当たり前になった近年、ソフトバンクエアーのようなホームルーターへの風当たりはどんどん強くなっています。
X(Twitter)でもこのような口コミが多くみられる、正直世間的なイメージはあまりよくないです。
この記事ではそんなソフトバンクエアーのメリットとデメリットを関係者が忖度抜きで解説していきます。
SoftBankAirとは?
ソフトバンクエアーはホームルーターと呼ばれるインターネット回線で、2014年12月12日に初代ソフトバンクエアーが発売されました。
公式ホームページ:置くだけですぐつながる、使い放題の高速インターネットサービス「SoftBank Air」を提供開始
自宅のインターネット回線といえば光回線やケーブルテレビなどが当たり前だった当時、工事不要かつ容量無制限で使えるインターネットはかなりの話題になりました。
初代Airターミナルは不評だった
2014年といえば下り速度最大1GbpsのNTTフレッツ光ネクストの全盛期、そんな中で初代ソフトバンクエアーの下り最大110Mbpsというのはあまりにも遅いというのが当時の評価でした。
手軽に使えるという利点も当時は利用者が多かったモバイルルーター(Pocket WiFiやWiMAX)にシェアが偏っていたのも要因でした。
Soft Bank Airのデメリット
そんなネット上での酷評が耐えないソフトバンクエアーですが、ネット上でゴミと呼ばれる要因が何なのか一つずつ解説していきます。
通信速度が遅い
ソフトバンクエアーで一番多い不満の内容は速度が遅いことです。
「みんなのネット回線速度」の情報によるとAirターミナル5の平均速度は下り156.85Mbpsと、固定回線と比較すると速いとは言えません。
固定回線と比べて電波状況の影響を受けやすく、地域によっては10Mbps前後にまで速度が落ちてしまうこともあります。
初期契約解除の対象となるので通信速度に問題があればキャンセルをすることもできますが、一度試しに使ってみるというのも手間ではあります。
通信契約におけるクーリングオフ制度のようなもので、通信不良・説明不足・契約書不受理のいずれかに当てはまった場合、契約から7日以内であれば契約を取り消すことができる。
通信遅延が起きやすい
ソフトバンクエアーは通信の反応速度を表すPinG値の数値が悪く、特にFPSや格闘ゲームをプレイされる方にとってはこの一瞬のラグがストレスになってしまいます。
引っ越し時に端末代が無駄になることも
ソフトバンクエアーは地域エリア内での利用者数を制限しているので、電波は問題なく届く地域でも契約ができないこともあります。
隣の家は問題なく使えているのに、自分の家はエリア外で契約を断られるということが起こるのです。
引っ越しを行う時に引っ越し先が使えないエリアの場合は解約をすることになってしまいますが、本体代金の残債はそのまま残ってしまうため、使えない機器の端末代金を支払い続けることになってしまいます。
ソフトバンクエアーは規約上「契約住所以外での使用を禁止」としていますが、車に乗せて使用したり、引っ越し後の自宅でそのまま使用される方がいます。
このような使用は受信する基地局が変わるため普通にバレますし、強制解約対象になりますので絶対にやめましょう。
引っ越し時の手続きを忘れて使用を続けた場合も利用停止の対象となるので、引っ越しの際は必ず住所変更の手続きを行う
1:カスタマーIDとS-IDとパスワードを準備
(契約書に記載されている)
2:MySoftBankにログイン
3:新住所を入力
4:旧居の退去日と新居の入居日を入力
(手続きに要する時間は10分ほど)
Soft Bank Airのメリット
ソフトバンクエアーは悪いとこロしかないのかというとそうでではありません。
人によってはこのメリットを重視するかたもいるので、順番に説明していきます。
めんどうな工事や設定が不要
ソフトバンクエアーの最大のメリットは設置時の工事が必要なく、エアーターミナルをコンセントにさすだけで利用できる手軽さにあります。
固定回線であれば申し込みから工事完了まで2~3ヵ月かかることもありありますが、ソフトバンクAIRなら店舗契約の場合即日利用も可能です。
1:申し込み手続き(約30分)
2:電話での確認(約30分~1時間)
3:審査後に本体が郵送される
(不備がなければ申込日から1週間以内)
4:届いた機器をコンセントに挿す(5分)
5:スマホにSSID/PASSを登録(5分)
固定電話を利用できる
ソフトバンクエアーはおうちの電話という固定電話のサービスがあり、お持ちの電話機とでんわユニットを繋ぐだけで利用できます。
電話の基本料金は実質無料になるため、固定電話ごと乗り換えをすることで今の固定電話維持費を全額節約することができます。
電話番号もNTT発番の番号であれば同じ番号を引き継ぎ使用することができるので、仕事などで利用している場合でも安心です。
おうちのでんわと「SoftBank Air/ワイモバイル/ソフトバンク」のいずれかを契約していると、おうちのでんわの月額基本料金から毎月528円を永年割引。
公式HP:でんわまとめて割
おうちのでんわとSoftBank Airを契約していると、SoftBank Airの月額基本料金から毎月550円を永年割引。
公式HP:SoftBank Airとおうちのでんわでずーっと割引
でんわユニットはソフトバンクエアーの下に装着できるので場所をとらず、コンセントも合計ひとつで利用できます。
配線が少なく、すっきりする
ソフトバンクエアーはスマホと同じで、基地局の電波を利用して家中にWi-Fiを飛ばしています。
そのため、ケーブルの数が少なくなり配線周りがシンプルになっているのが特徴です。
おうちのでんわを利用される場合はモジュラーケーブルも必要なくなり、ネット回線もWi-Fiを活用することで直接LANケーブルで繋がなくてもパソコンを利用することが出来ます。
機械の数を少なくすることで電話機のそばの必要コンセントが2穴になり、タコ足配線をしなくてもよくなるので火災リスクの軽減にも繋がります。
家中の利用場所移動が楽
実はWi-Fiなどの電波は壁などの遮蔽物に弱く、金属なら吸収されてしまい木材でも一定量の減衰退は起きてしまいます。
そのため無線LANでネットを利用する場合は同じ部屋で利用することが望ましく、部屋の入れ替えなどが起きた際はWi-Fiルーターの移動が必要になります。
しかし、固定回線の場合はWi-Fiルーターからホームゲートウェイ(モデム)までをLANケーブルで繋ぐ必要があるため容易ではありません。
その点ソフトバンクエアーならコンセントを差し替えるだけなので手軽に利用場所の移動ができます。
SoftBank Air6
そんな置き型WiFiのソフトバンクエアーですが、2024年11月にナンバリング6作目となるAirターミナル6が発売されました。(ターミナル4nextを含めると7作目)
Airターミナル6では国内の通信事業者(MNOに限る)として初のWi-Fi 7に対応したホームルーターで、下り最大2.7Gbqsと光回線と同等通信が可能になりました。
メッシュWiFiは網目(メッシュ)のよつに電波を制御する機能で、ターミナル6からこのメッシュWiFi親機として利用できるようになりました。
従来のWiFiはその電波が少しでもつながっている限り、次のWiFiに繋がることはないため、別のWiFiにつなぐ際は元の接続を切る必要がありました。
しかし、このメッシュWiFiでは複数のWiFiルーターを連携管理することで常に一番電波強度が高いWiFiに接続しなおし、安定した速度を維持することができます。
Airターミナル6と5の違い
具体的にAirターミナル5からどのように進化したのでしょうか。
5と6のスペック比較
ターミナル5 | ターミナル6 | |
通信速度 | 下り最大2.1Gbps | 下り最大2.7Gbps |
下り速度 | 2.1Gbps | 2.7Gbps |
通信規格 | IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi 6) | IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax/be (Wi-Fi 7) |
5G周波数 | n77 ・3.7GHz ・3.4GHz | n77 ・3.7GHz ・3.5GHz ・3.4GHz |
WiFi周波数 | ・2.4GHz ・5GHz | ・2.4GHz ・5GHz ・6GHz |
最大接続数 | 128 | |
アンテナ | 4 | |
メッシュWiFi | 親機対応 | |
変調方式 | 1024QAM (10bit) | 4096QAM (12bit) |
MLO | 非対応 | 対応 |
マルチRU | ||
パングチャリング |
Airターミナル5とAirターミナル6の違いはこのようになります。
一番の特徴はWiFi7に対応したことによる通信速度の改善が挙げられます。
WiFi7とは?
ソフトバンクAirターミナル6はWi-Fi通信の最新規格のWiFi7(IEEE 802.11be)に対応しています。
2024年で総務省の認可を通過したばかりの規格で、2025年1月時点ではこの規格に対応したホームルーターはソフトバンクAirターミナル6のみとなっています。
WiFi7には以下のような点で従来の規格と違いがあります。
・4096QAMでの高速通信化
従来は1周期で10bitしか送信できなかったが、12bitの伝達が可能になり速度が1.2倍になった。
・MLOによる同時周波数利用
MLO(マルチリンクオペレーション)によってひとつのSSIDで複数の周波数(2.4GHz/5GHz/6GHz)を同時に使用することができる。
・最大空間ストリーム数の倍化
・MultiRuによる周波数割当
マルチRU(リソースユニット)によってリソースを効率的にリソース割り当てができるようになる。
・プリアンブルバンクチャリングによる電波干渉時の通信効率化
電波干渉が起きたときに隣の周波数帯も同時に停止してしまうことを防ぎ、最低限の遅延で抑えることができる。
これらの機能により平均通信速度は実測300Mbps~400Mbpsとなり、一般利用では問題ない使用感となりました。
まとめ
ソフトバンクエアーは割引が豊富なので、家族にソフトバンクやワイモバイルスマホを使っている人が多い方にはオススメです。
また、簡単に契約できるので下宿や転勤など短期間だけネット回線が必要な方にもオススメです。
逆にオンラインゲームをする人にはオススメできません。
選択肢はたくさんあるので、よく選んで自分に合ったネット回線を契約しましょう。